獣医師によるコラム
うさぎのお話
最近、うさぎと一緒に来院される飼い主さんも多くなってきました。
うさぎは鳴かない、広いスペースを必要としない、といった理由で集合住宅にお住まいの方でも一緒に暮らすことができます。
うさぎは鳴かない、広いスペースを必要としない、といった理由で集合住宅にお住まいの方でも一緒に暮らすことができます。
今回はうさぎに関してお話させていただきます。
これから、うさぎを家族の一員に迎えようという方にも是非ご覧いただきたいです。
<どんな動物?>
うさぎを知る上で大切になってくるのが、『ウサギ』はイヌやネコと違い、自然界では被食動物(食べられる側)であるということです。そのため、一般的にうさぎは警戒心がとても強く臆病な性格で、ストレスに弱い動物です。しかし、慣れた環境下(縄張り内)では、ぴょんぴょんと跳ねたり、好奇心旺盛に動き回ります。
<特徴>
うさぎの歯は前歯(切歯)や後ろの歯(臼歯)が一生伸び続けます。
食事の時に歯をすり合わせることによって、ちょうど良い長さが保たれます。
なお、大きな切歯の裏には小さな歯が一対並んで生えています。この歯は
ウサギ目に特徴的なもので、ハムスターのような齧歯目とは異なります。
また、うさぎは通常のコロコロと丸い便とは別にぶどうの房状の便をします。これを盲腸便といい、肛門に直接口をつけて食べます。悪臭のある下痢便ではなく、大切な栄養源です。太り過ぎてしまうと、この盲腸便を食べられなくなってしまい、栄養バランスが崩れてしまうので十分に気を付けて下さい。
<必要なものは?費用は?>
・うさぎのケージ:4,000円~25,000円
うさぎが落ち着ける場所に置いてあげて下さい。
足に負担が掛かってしまうので、金網の床ではなく木製のスノコを使用したり、床敷に牧草などを敷くと良いです。うさぎはリラックスすると身体や足をピンと伸ばすので、十分なスペースが必要となります。現在、飼育されているうさぎは土の中に穴を掘って暮らしていたアナウサギを改良したものであるため、巣箱を入れてあげると落ち着く子が多いです。
・食事(牧草、ペレットフード):500~2,000円
(1ヶ月で3,000円以上)
理想的な量:牧草(チモシーなど): たくさん
(食べ放題)
ペレット : 体重の1.5%以下
(朝・夕の2回)
野菜、果物 : 少量
(食べ放題)
ペレット : 体重の1.5%以下
(朝・夕の2回)
野菜、果物 : 少量
牧草には複数の種類があり、チモシーというイネ科の牧草がお勧めで、
アルファルファなどのマメ科の牧草は高タンパク、高カルシウムであるため、うさぎに対して腸炎や尿石症を起こすリスクが高まってしまいます。
このように牧草はウサギの健康には欠かせません。子うさぎの時から牧草をたくさん食べるような習慣をつけるようにして下さい。
アルファルファなどのマメ科の牧草は高タンパク、高カルシウムであるため、うさぎに対して腸炎や尿石症を起こすリスクが高まってしまいます。
このように牧草はウサギの健康には欠かせません。子うさぎの時から牧草をたくさん食べるような習慣をつけるようにして下さい。
あくまでも牧草が主食です
・水入れ、ごはん入れ:350~1,500円
うさぎは水をたくさん飲むので、いつも新鮮なものを飲みやすい場所に設置して下さい。ごはん入れは、ひっくり返さないような安定性のあるものを選ぶと良いです。
・トイレ:500~1,500円
うさぎは一定の場所をトイレとするため、比較的しつけは難しくありません。なお、雄のウサギはおしっこを飛ばして縄張りを主張することがあるので、後ろの壁が高いものを選ぶと良いです。
・かじり木:400~1,000円
うさぎはかじることが大好きです。これは、ストレスの解消や
歯が伸び過ぎてしまうのを防ぐのにも一役かってくれます。
うさぎはかじることが大好きです。これは、ストレスの解消や
歯が伸び過ぎてしまうのを防ぐのにも一役かってくれます。
<毎日のお世話は?>
トイレ、ケージの掃除
ごはん、お水を与える
ブラッシング(特に換毛期:一年に数回毛が抜ける時期があります)
コミュニケーション(なでたり、抱っこなど)
<繁殖>
うさぎはとても繁殖力の強い動物です。
一度に4~10頭生まれますので、雄と雌は別々のケージにするか、去勢・避妊手術をおこないましょう。
・こんな相談がありました。
<病気の早期発見>
おうちでできる観察ポイントとして…
本来、うさぎは天敵に弱っているところを襲われないように、症状を隠す傾向にあります。
一見、元気に見えても病気が進行していることはよくありますので、症状に気付かれた方は可能な限り早期にご相談下さい。