渡辺動物病院

獣医師によるコラム

異物誤飲

「うちの子がおもちゃ飲み込んじゃった!」「焼き鳥を串ごと食べちゃった!」「骨付きのチキンを食べちゃった!」などという経験はありませんか?
交通事故に遭ったり、高い所から飛び降りて骨折したり・・・といった事故よりもよっぽど身近で発生件数の多い事故です。

お散歩中やドッグランなどの外出時よりも、自宅での発生がほとんどです!!
さらに注目すべきことは、家族と一緒に過ごしている時に起こることが多いのです。

まず、どんな物を誤飲しやすいか見て行きましょう。
表1
食道内異物の場合、内視鏡を使って取り出すか消化可能な物であれば胃内に落とします。
このワンちゃんも内視鏡を使って摘出もしくは胃内に押し込むことをチャレンジしましたが、キャベツの芯は食道内にすっぽりとハマっていてビクともしません!!
急遽、開腹して胃を切開し食道内のキャベツを胃内へ引っ張り、胃の切開部位から摘出する作戦に変更です。
しかし、それでもビクともしません!!
引いて駄目なら押してみる!作戦決行。胃の中から食道内へ器具を挿入し、少しずつキャベツの芯を口の方へ押し進め、口から内視鏡を挿入して摘出。獣医師5人掛かりで計5時間程かけ、手術が終了したのは午前3時でした。


次に、異物誤飲にまつわる、よくある質問と答えをご紹介します。

Q1.「先生、おもちゃ飲み込んじゃったかもしれないからレントゲン撮ってよ!レントゲン撮ればわかるでしょ?」

A1.レントゲンに写る物は限られています。骨や金属は白く写るのでわかります(下左図)が、それ以外の物は写りません。バリウムなどの造影剤を使用して確認することもあります
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